動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)
◆動物愛護法改正ポイント
人と動物の共生する社会の実現に向けて
動物は、飼い主の生活に潤いと喜びを与える存在ですが、業者や飼い主の不適正な扱いや虐待により動物が苦しんだり、鳴き声や臭いで周辺に迷惑をかけたりする問題も生じています。
こうした状況を受け、平成25年9月1日から、改正された『動物の愛護および管理に関する法律(動物愛護管理法)』が施行されました。
改正動物愛護管理法では、動物の飼い主は、その動物が命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが法律上明確にされました。
終生飼育の徹底
飼い主としての責任を持ち、動物が命を終えるまで愛情をもって飼いましょう
▼どうしても飼えなくなった場合は、新たな飼い主を探したり、動物愛護団体に相談したりして、譲り渡す先を見つけましょう
▼動物には名札、脚環、マイクロチップなどをつけ、飼い主がわかるようにしましょう
▼県は、動物取扱業者からの引取りや繰り返しての引取り、動物の老齢や病気を理由とした引取りなど、終 生飼養に反する引取りを拒否できるようになりました
動物取扱業者による適正な取扱の推進
▼これまでの「動物取扱業」は「第一種動物取扱業」という名称に変更され、販売に際し、現物確認と、性別 や生年月日、寿命やえさのやり方など重要事項の説明が義務付けられました
▼生後56日(平成28年8月31日までは45日、それ以降別に法律で定めるまでの間は49日)を経過しない犬猫の販売等が禁止されることになりました
▼飼養施設を有し、一定数以上の動物を非営利で展示、譲渡などする場合は、第二種動物取扱業として届出することが義務付けられました
▼動物取扱業者の責務に、販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されました
罰則の強化
▼愛護動物をみだりに殺したり、傷つけたり、虐待したり、捨てたりする行為は犯罪です。改正動物愛護管理法ではこれらの行為に対する罰則が強化されています
罰せられる行為 |
改正後 |
改正前 |
殺 傷 |
二年以下の懲役または二百万円以下の罰金 |
一年以下の懲役または百万円以下の罰金 |
虐 待 |
百万円以下の罰金 |
五十万円以下の罰金 |
遺 棄 |
百万円以下の罰金 |
五十万円以下の罰金 |
▼虐待の定義が明確化されました。愛護動物に対する次のような行為は虐待です
▽みだりに餌やりや給水をやめる
▽酷使する
▽健康や安全の保持が困難な場所に拘束して衰弱させる
▽病気やけがの状態で適切な保護を行わない
▽ふん尿が堆積したり、動物の死体が放置されたりする場所で、飼ったり保管したりする
特定動物を飼う場合
▼動物愛護管理法では、人の生命、身体または財産に害を与えるおそれがある動物を特定動物に指定しており、飼う場合は県知事の許可が必要です。許可を受けずに飼うことは犯罪です(6月以下の懲役または100万円以下の罰金)
▼特定動物を飼うには、逃げ出さないための堅固な施設が必要です。また、万が一、飼えなくなった場合の譲渡先または譲渡先を探す体制を確保することが必要です
▼特定動物を飼おうとする場合には、自分に飼う能力があるか、逃げ出すことがないかについて、その他の動物を飼うときよりもさらに慎重に検討しましょう
災害時の事を考えましょう
▼災害時に、飼っている動物の命を真っ先に守ることができるのは飼い主です
▼日ごろから飼っている動物のえさや水などを備蓄するとともに、動物を同伴した避難の訓練や、キャリーバックに慣れさせておくなど、災害時を考えた準備をしておきましょう
▼いざ災害時に避難するときは、できる限り一緒に避難するよう心がけましょう
たくさんの動物を飼う場合
▼たくさんの動物を飼うと、すべての動物に手が回らなかったり、清潔な環境の確保が大変になったりする場合があります。適切に飼うことができる頭数を飼うことを心がけましょう
▼繁殖を望まない場合は、不妊去勢手術などの措置を行いましょう
▼たくさんの動物を飼うことで騒音や悪臭など周辺の生活環境を悪化させている場合や動物が衰弱するなど虐待のおそれが生じた場合、県知事は飼い主に状況改善の勧告・命令を行うことがあります。命令に従わない場合は罰則が科せられます